ATT(平均通話時間)短縮の6つの方法|コールセンターの品質を落とさず改善
ATT(平均通話時間)とは何かを、計算式やAHT・ACWとの違いから解説。コールセンターでATTが長くなる原因と、品質を落とさず短縮する6つの方法、KPI管理を仕組み化するチャネルトークの機能まで紹介します。
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「ATT(平均通話時間)を◯秒以内に短縮せよ」と社内で指示され、何から着手すべきか悩んでいませんか。
オペレーターに早く話すことだけを求めると、説明不足によるクレームや再入電が増えかねません。結果として、かえって応対品質を損ない、KPI管理そのものが逆効果になる恐れもあります。
本記事では、コールセンターのATTの定義や計算式をわかりやすく整理します。あわせて、AHT・ACWとの関係性や、ATTが長くなる原因も構造的に解説します。そのうえで、実務ですぐ使える6つの短縮方法と、ATT短縮と応対品質を両立させる考え方を紹介します。
自社の業界・業務内容に合った適正値を見極めたい方は、ぜひ今回の記事を参考にしてください。KPI管理を仕組み化したいコールセンター責任者の方にも、実務のヒントとしてお役立ていただけます。
ATT(平均通話時間)とは?
ATT(Average Talk Time)とは、オペレーターと顧客が実際に会話している時間の平均値のことです。ATTを適切に管理することで、生産性・コスト・顧客満足度の3つの面からコールセンター運営の質を高められます。
この章では、ATTの定義と、なぜATT管理が重要なのかを解説します。
ATT(平均通話時間)の定義とは?
ATTとは、1件あたりの通話でオペレーターが顧客と会話している時間の平均値を指します。保留時間や後処理時間は含まれず、実際の会話部分のみを対象とする点が特徴です。
そのため、オペレーターの説明力や商品知識、トークの構成力が数値に直接反映されます。
ATT管理が重要な3つの理由
ATTを管理する目的は、主に生産性・コスト・顧客満足度の3点に集約されます。
生産性:
ATTが適正化されると、1人のオペレーターが対応できる件数が増え、コールセンター全体の処理能力が向上します
コスト:
通話時間はオペレーターの稼働コストに直結するため、ATTの管理は人件費のコントロールにつながります
顧客満足度:
説明不足や要点の整理不足によって通話が長引くと、顧客の負担が増え、満足度低下の要因になります
ただし、ATTは短ければ良いというわけではありません。
次章で解説するAHT・ACWとの関係性も踏まえ、総合的に判断することが重要です。
ATTの計算式と関連指標
ATTは「総通話時間 ÷ 総コール数」で算出でき、AHT(平均処理時間)はATTとACW(平均後処理時間)の合計値です。この章では、ATTの計算式と、混同されやすいAHT・ACWとの違いを整理します。
ATTの計算式は?
ATTの計算式は「ATT = 総通話時間 ÷ 総コール数」です。
たとえば、1日の総通話時間が300分、対応件数が60件であれば、ATTは5分になります。この数値には、保留時間や事務処理の時間は含まれません。
AHT・ACWとの違いとは?
AHTは、ATT(通話時間)とACW(後処理時間)を合計した指標で、ATT単体とは対象範囲が異なります。
ACW(After Call Work)とは、電話を切った後の履歴入力や事務処理に費やす平均時間のことです。3つの指標は対象範囲が異なるため、下記の一覧で違いを整理します。
指標 | 正式名称 | 対象範囲 | 計算式 |
|---|---|---|---|
ATT | Average Talk Time(平均通話時間) | 顧客との会話時間のみ | 総通話時間 ÷ 総コール数 |
ACW | After Call Work(平均後処理時間) | 通話後の履歴入力・事務処理時間 | 総後処理時間 ÷ 総コール数 |
AHT | Average Handling Time(平均処理時間) | 通話時間+後処理時間 | ATT + ACW |
それぞれの数値を個別に把握することで、通話部分と事務処理部分のどちらに課題があるかを切り分けられます。
ATTが長くなる主な原因
コールセンターの業務は、主に電話による顧客対応です。業務は、顧客からの電話を受けるインバウンド(受信業務)と、企業側から電話をかけるアウトバウンド(発信業務)の2つに分かれます。
なかでも受信業務の比重は大きく、コールセンターの求人の7割以上が受信業務とも言われます。受信業務では、商品・サービスに関する問い合わせから顧客のクレーム対応まで、幅広い対応が求められます。
こうした対応の一件ごとにかかる通話時間が積み重なるため、ATTの管理が重要になります。
ATTが長くなる原因は、大きく「オペレーター個人」と「仕組み・体制」の2つに分けられます。この章では、それぞれの原因を具体的に整理します。
オペレーター個人に起因する原因
オペレーター個人に起因する原因は、主にスキルと意識の面に関わるものです。
効率と丁寧さの両立不足:
説明不足によるクレームを恐れるあまり、必要以上に丁寧な説明を重ね、通話が長引く
スキル不足:
話の要点を整理できず、説明が冗長になってしまう
仕組み・体制に起因する原因
一方で、仕組み・体制に起因する原因は、個人のスキルだけでは解決できません。
トークスクリプトの不備:
オペレーターがその場で対応を考えながら話す必要があり、通話が長引く
トークフローの未整備:
どの部署に取り次ぐか、どの資料を参照すべきか迷い、時間がかかる
このように、ATTが長くなる背景には個人と仕組みの両面が関わっているため、両方の観点から対策を検討する必要があります。
ATTを短縮する6つの方法
ATTを短縮する方法は、大きく分けて6つあります。
この章ではまず6つの方法の概要を整理し、特に効果の高いIVR・FAQ整備を詳しく解説します。
どのような短縮方法があるのか?
ATTを短縮する主な方法は、以下の6つです。
通話内容の分析:
オペレーターごとの通話を録音・可視化し、どの場面で時間がかかっているかを把握します。対応の遅い要因を特定できれば、的を絞った改善につなげられます。
目標数値の設定:
業界水準や自社の過去データをもとに、現実的なATTの目標値を設定します。明確な基準があることで、オペレーターの改善意識が高まり、チーム全体で数値を追いやすくなります。
トークスクリプト・フローの整備:
頻出の問い合わせに対する話し方や案内手順をあらかじめ用意します。オペレーターがその場で考える時間が減り、誰が対応しても一定の質とスピードを保てるようになります。
音声ガイダンス(IVR)の導入:
電話がつながった時点で、音声により問い合わせ内容を事前に分類・整理します。顧客を適切な担当へ直接つなげられるため、取り次ぎの手間と通話時間を削減できます。
定型的な問い合わせへの自動対応:
営業時間や配送状況といった定型的な問い合わせを、AIなどが自動で一次対応します。オペレーターが対応する件数自体を減らし、複雑な案件にリソースを集中させられます。
FAQの充実:
よくある質問と回答をWeb上に整備し、顧客が電話をかける前に自己解決できる環境をつくります。入電そのものが減り、電話は本当に必要な問い合わせに絞られます。
IVR(音声ガイダンス)で取り次ぎ時間を削減する
IVR(音声ガイダンス)は、顧客の自己解決を促し、入電数や通話時間そのものを減らす有効な手段です。電話がつながった際に、音声で問い合わせ内容を事前に分類・整理する仕組みを指します。
顧客の用件に応じて担当部署へ直接つながりやすくなるため、取り次ぎにかかる時間を削減できます。結果として、1件あたりの通話時間の短縮につながります。
FAQ整備で入電そのものを減らす
FAQの充実も、顧客の自己解決を促す代表的な方法です。
FAQを整備すると、顧客が電話をかける前にWeb上で自己解決できるようになり、入電そのものが減少します。
FAQで解決できない一部のみが電話に集約されるため、オペレーターは複雑な対応に集中でき、ATTの短縮にもつながります。
なお、IVRとFAQは単体で導入するよりも、原因分析の結果に応じて組み合わせることで、より高い効果が期待できます。
ATT短縮で注意すべきポイント
ATT短縮だけを追求すると、かえって顧客満足度の低下や再入電の増加を招く恐れがあります。この章では、ATT短縮で注意すべき2つのポイントを解説します。
なぜATT短縮だけでは逆効果になるのか?
ATT短縮だけでは逆効果になる理由は、通話を無理に切り上げることで説明不足が生じるためです。説明が不十分なまま電話を終えると、顧客が同じ用件で再度問い合わせる「再入電」が発生しやすくなります。
再入電が増えると、結果的にコールセンター全体の対応件数が増加し、ATT短縮によるコスト削減効果が相殺されてしまいます。
つまり、ATT短縮は応対品質とのバランスを保ちながら進める必要があります。
業界・自社データを基準にする理由
また、ATTの適正値は業界や業務内容によって異なるため、他社の一般的な数値をそのまま基準にするのは適切ではありません。
金融機関のように正確な説明が求められる業務と、定型的な問い合わせが中心の業務とでは、適正なATTの水準が異なります。
そのため、自社の過去データを蓄積し、応答率や稼働率など他の指標とあわせて総合的に判断することが重要です。
KPI管理を仕組み化する方法
ATT短縮と応対品質の両立を仕組み化するには、通話対応の効率化・AI音声対応・データ可視化を組み合わせることが有効です。
顧客との通話対応を担うのがチャネルトークのMeet、AI音声対応を担うのがボイスALFです。一方、顧客対応データなどのビジネスデータを統合して分析・可視化し、改善や意思決定を支援するAIビジネスOSがチャネルワークスです。
チャネルトークで日々の顧客対応を行い、その対応データをチャネルワークスで分析することで、ATT管理を継続的に見直す運用につなげられます。
以下では、それぞれの機能を例に3つの打ち手を紹介します。
通話品質を高める方法
チャネルトークのMeetは、電話機能・ボイスMeet・ビデオMeetを含む通話機能です。
電話機能はチャネルトークで発行した050番号を利用します。一方、ボイスMeetとビデオMeetは、電話番号を発行せず、ネットワーク環境で音声・映像のコミュニケーションを行います。
電話で開始された問い合わせは受信トレイに表示されます。チャネルトークの連絡先管理に登録された電話番号からの着信であれば、連携された顧客情報を確認しながら対応できます。
顧客情報を確認しながら対応することで、要点を整理した説明につなげられます。ATT短縮と応対品質への効果は、運用状況を確認しながら評価します。
AI音声対応でATTを短縮する方法
定型的な問い合わせをAIに任せることで、ATTを短縮する打ち手です。
チャネルトークのボイスALFは、オペレーターに代わって電話対応を行います。通話内容のテキスト化や録音に対応し、顧客がオペレーターへの接続を希望した場合は、対応を引き継ぐことができます。
適用範囲は設定したルールやタスクに基づくため、まずは定型的な問い合わせの一部から導入し、応対結果をモニタリングしながら活用範囲を見極めることが重要です。
また、チャネルトークのIVR(音声ガイダンス)を使えば、着信時に用件を振り分けたうえで、そのままボイスALFにつなぐよう設定できます。すぐにALFが対応するか、IVRの途中でALFに引き継ぐかを、運用に合わせて柔軟に組み立てられます。
電話別統計でATTを可視化する方法
どの問い合わせでATTが長いかを把握することが、改善の第一歩です。
それを担うのが、チャネルワークスの「電話別統計」です。
指定した期間の着信応答率、サービスレベル、発信接続率、平均待機時間、平均通話時間、平均後処理時間などを確認できます。また、日別の電話数・通話時間や、時間帯別の電話流入量も把握できます。
課題の所在がわかれば、改善策の優先順位付けもしやすくなります。
このように、顧客対応を担うチャネルトーク(Meet・ボイスALFによる通話対応・AI音声対応)と、ビジネスデータの統合・分析・可視化を通じて改善を支援するチャネルワークスを組み合わせることが、仕組み化の鍵です。
継続的に運用しながら、ATT短縮と応対品質の両立を目指せます。
まとめ
本記事では、ATT(平均通話時間)の定義や計算式、AHT・ACWとの関係性を整理しました。ATTが長くなる原因はオペレーター個人と仕組み・体制の両面にあります。短縮方法も、トークスクリプトの整備からIVR・FAQの活用まで多岐にわたります。
一方で、ATT短縮だけを追求すると再入電が増え、かえって逆効果になる点にも注意が必要です。自社の業界特性やデータを基準に、応答率や稼働率など他の指標とあわせて判断することが重要です。
チャネルトークのMeetとボイスALFは、通話対応の効率化に役立ちます。あわせてチャネルワークスの電話別統計を使えば、KPI管理を仕組みとして継続できます。自社の業界特性に合った適正値を見極め、ATT短縮と応対品質の両立を目指しましょう。